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缶ジュースが100円だった頃、というのがいつ頃までだったのか、 全く定かでは無いのだけれど、恐らく消費税の導入前までではな かったかと思う。飲料メーカーが「これまで小売店様との相互努力 の結果、缶入り飲料の値上げをン年間差し控えて参りましたが、 今後導入される消費税のため、103円とさせていただきとうお願い いたします。え?1円玉は自販機で使えない?しょうがないなぁ (半笑)、10円値上げ、ってことで、ね、ね、後生だから。今後ン 年間は値上げしないからね?いいでしょ?我慢せぇよコラ(逆切)。」 というような張り紙を店頭や自販機に掲示していたような気がする。 私の怪しい記憶だから、あんまり当てにならないのだけれど。だれ か覚えていたら教えて下さい。 (消費税は自販機には適用されない、人的サービスが掛からない部 分には消費税が掛からないと思っていたのだけれど、仮に「自販機」 であっても誰かがそれを維持管理しなければいけないという点では 完全自動ではない、という点で課せられるのでしょうか。同じ飲料 でもアウトローな自販機では100円で売られている場合があるのだ けれど、それは「消費税反対!納税拒否」の小売り業者が営業して いるのか、あるいはもともと価格に占める割合に流通マージンが異 様に高いから工夫すればなんとかなるとか、そもそもの仕入れ値が 安く、利益率が異常に高いから、それを小売店が是正しただけ、とか、 いろいろ勘ぐってみるのだけれど、本当のところはどうなんでしょう。 もっとも、売り上げ1,000万円以下の事業者は消費税が免除されてい るような気がするのだけれど。) と、曖昧な記憶と知識を手繰るところから書き始めたのだけれど、実 は私はかなりの貧乏性で、いや子供の頃、実際にかなり貧乏だったか らだけれど、自販機で飲み物を買うこと自体、いまだに抵抗があると いうか、ゼイタクをしているという気分になるのですね。だれでも 少し考えてみれば判るけれど、飲料を買うのに100円(とりあえず こうしておきましょう)を支払うというのは、相当、時間当たりの対 価にアンバランスを生じていると思う。アナタ、100円稼ぐのにどれ だけ時間掛かってると思いますか?それをいつでもどこでも、喉が乾 いた、冷たい物が欲しい、温かいものが飲みたい、そんでガチャコン と無造作に自販機で購入する。プルタブを起こして口に付けるや否や、 やれ熱いだの甘過ぎるだの炭酸はキライだの何をいっとるんだばかも の。おまえは家に帰って水でも飲んでろボケナスはあはあ。 ちょっと喉乾いたな。 仮に私ひとりだったら、汗が滝のように流れる真夏で、しかも昼食を 摂るタイミングを逸した午後3時、という生命維持に危機的状況が クローストゥミーでも、自販機やコンビニで飲料を買うことはまず 無いです。それは、夕暮れ時に、うまいビールが飲める、という希 望の光が見えるからだけではなく、自分の労働にそれだけの対価が あるとは自分では思えないからなのです。 缶ジュース、缶コーヒーは、誰かが、がんばってくれた他の誰かを 労う意味で、「買って頂く」ものだと、私は思いこんでいるのです。 もう無いのだけれど、私の実家は小さい運送会社を営んでいて、そ れは主に建設現場で使うパワーショベルやブルドーザを大型トレーラ で現場から現場に運ぶ仕事をしていました。運転手も数人(ほんとに 数えるほど)しかいないので、社長とはいえ父も毎日トレーラの運 転手をしていたわけですね。要するにトラックの運ちゃんです。 私の身体が大きくなり、力が付いてきた中学生位から、父はよく私を 助手に連れて仕事に出ました。そのココロは、自分(父)の仕事をし ている姿を見せたかったから、とか、まだ虚弱児気味だった私を鍛え たかったから、とかではなく(私は当時後者だと思っていたけれど)、 単に、独りでは寂しかったからではなかったかと今では思う。 早朝、あちこちに氷の張った水たまりのある、まだ作業が始まってい ない真っ暗の工事現場にトレーラを乗り入れる。私は暖房の効いた助 手席でうとうとしているのだけれど、父は黙って運転台を下り、道路 から遠く離れた現場に止まっているブルドーザを取りに行く。工事途 中のぬかるんだ現場の中には重いトレーラは入って行けないことの方 が多いから、重機自体を運転してトレーラのほうまで持ってこなけれ ばならないのだ。 遠くでガルルン、とディーゼルエンジンの始動する音がし、そして、 キャタピラの軋む音が少しずつ近づいてくる。私の仕事はといえば、 トレーラの最後部に「足場」と呼ばれる全長2mちょっと、幅30cm、 厚さ30cm位の箱状のアルミ合金製の橋を取り付けて、重機がトレー ラの上に乗り入れられるように準備しておくことだ。その足場の本数 や、幅は重機の大きさや重さによって加減しておかないと、これから 載ってくる重機のキャタピラの幅に合わなかったり足場が重機の重さ に耐えられなかったりするので責任重大である(と、少なくとも少年 の私は認識していた。現に、会社に放置された重さでねじ曲がってし まった足場をいくつも見ているし、それが大変高価なものだというこ とも聞いていたから)。 アルミ製とはいえ、足場はとても重い物であった。ずるずるとトレー ラの荷台から引きずり下ろし、片方の端に付いているフックをトレー ラ後端の受け部に引っかける。これを2回ないし4回繰り返して足場 を準備する。 ここまではそんなに力を必要としないのだけれど、重機を載せた後、 足場をよっこらせぇとトレーラの上に持ち上げて戻さなければなら ない。いったい何kg位あったのかどうか今になっては判らないのだ けれど、中学生にとってはとても重い、としか言いようが無かった。 それでも父が重機をトレーラにレバーブロックなんかで固定したり、 出発の準備をしている間に、それを済ませてしまいたかった。なに か、期待に応えたかったような、背伸びしたかったような感覚でし ょうかね。別に私がそれをしなくとも、父は黙って車の後部に回っ て足場を片付けたとは思うけれど、数少ないお手伝い項目を私はこ なしたかったんだろう。 そうして、出発の準備を終えて、重機が道路の上に落とした泥を竹箒 で掃除したりしている間に、父はどこからか温かい缶コーヒーを買っ てきて、私に黙って渡してくれた。あるいは、山の中や見渡す限り何 もない現場の時は、帰り際に何で急に停車したのだろう、と辺りを見 回すと、車は必ず自販機の前に止まっていて、父は飲み物を買って私 によこしたものだ。 いつも、その瞬間、なんだかとても大人になったような気がしたもの だ。甘い缶コーヒーは、飲んでいると胃液が上がってきて口の中が酸 っぱくなるのだけれど(今でもそうだけど)とても役に立っているよ うな気がしたものだった。 父も、そのときのトレーラも、もう無いのだけれど、自販機の缶コー ヒーを見るたびに、未だにその時の記憶がよみがえる。 私は自分の子供達に、 そういう記憶を残すことが出来るだろうか。 画像は高級車マニアさんからお借りしています。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ つぎはたれぞ。 つぎのテーマーは 【やりのこしたけど、だいじょうぶ】 だとおもてはる。
by wacky_racers
| 2006-12-13 11:27
| わんたん(金曜日)
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